「こちらです」
看護婦さんに案内されて入った病室は、あまりに残酷なものだった
たくさんの医療機器につながれたカイの体
静かにベットに横たわるカイの体
そして病室に響き渡るピッピッピッという音
カイの側には、両親と思われる人達が目にハンカチをあてていた
「カ…イ…?」
カイが眠るベットへと近寄る
「…ねぇ…嘘でしょ?」
あたしはカイのあまりに変わり果てた姿に胸が詰まる思いがして、ベットに脇にしゃがみ込んだ
あたしがカイの名前を呼んでも、その綺麗な瞼は開く事もなかった
「…ヤだ…ヤだよぉ……さっきまで……笑ってたじゃない!元気だったじゃない!」
あたしはカイの手を握り、ひたすら前後左右に振った
「やめて下さいっ…患者さんの容態に関わりますっ…」
「目を開けなさいよぉっ…!!この馬鹿ぁっ!!」
看護婦さんの言葉を聞く事もなく、必死にカイに言葉をかけ続けた
