「…行ってきます…」
あたしは重い足取りで駅前までの道のりを歩いた
久々に二人で会う…
あたしの心は、恐怖と不安で一杯だった
駅前につくと…
「よう」
無表情でカイが言葉を漏らす
「あ…久しぶり…」
「…だな…」
あたしはカイの顔を見る事が出来ずに、俯いていた
「…で、話って何?」
震えないように、震えないようにと言葉を発した
「…あのさ…」
カイがゆっくりと口を開く
「…顔上げて…?」
カイがあたしの頬に触れる
懐かしい、あの感覚が蘇る
「………ッ」
あたしはゆっくりと顔を上げた
「…何…?」
「やっぱり…」
「………?」
カイはわずかに微笑みを見せて言った
「大人っぽくなってる」
ドクンッ
「…な…」
なんでそんなに期待させるような事を言うの…?
あたし…諦めきれなくなるよ…
「…英子………ずっと言いたかった…事がある…今…聞いてくれるか…」
カイの真剣な瞳に、あたしは頷いた