FlowerRose




「…オレ……」



ドクンッ



懐かしい声に、心臓が早鐘を打つ



「えっ…なんで…」

「ケーバンなんて調べようと思えば、調べられるんだよ」



少しけだるそうな声


カイの低い声があたしの体に染み込んでいく



「英子…明日、会えない?」

「明日…?」



いきなりの事に、あたしは思考回路が停止する


「駅前で…1時に」

「あ…うん…」

「じゃ、それが言いたかっただけだから」



プッ



一方的に電話は切られた



「なんで…今更?」


せっかく卒業っていうテで忘れられるって思ってたのに…



今更掘り返すような事…



あたしは宿題をほっぽいて、朝まで携帯を握りしめていた