「大丈夫なの?」

「大丈夫、大丈夫!」

「本当に大丈夫?あんた、あの後また熱出したのに…」

「大丈夫!!ちゃんと薬も飲んだし、熱はないし!」



あたしは靴ヒモを結び終えると、さっきから異様に心配してくるお母さんに向かって笑顔を見せた


「じゃ、行ってくるね!」

「気分悪かったら先生に言うのよー!」

「はぁーい!」


玄関を飛び出し、走って学校まで行く


なんだか走りたくなったのだ



「今日も良い天気♪」

「よお、良くなったのか?」



後ろからした声に振り向くと、修人がポケットに手を突っ込みながら立っていた



「うん!昨日はよく寝れたしね!」



…半分嘘



「そっか、なら良かったじゃん」

「うん、心配してくれてありがとう」

「べっ、別に心配なんかしてねーよ!」



修人は顔を赤くして否定の言葉を並べた



「へへっ……なーんか、あたし、幸せ者だなあ♪」

「なんで?」

「皆があたしの事心配してくれてるから♪」



あたしは腕を腰の後ろに回して、鼻歌を歌った



「…皆…?」



修人の疑問の声に鼻歌が途切れた



(はっ…そう言えば修人にカイの事言ってなかった…!)


「俺、クラスの皆が英子の事心配してるって事、言ってないよな?」



修人の言葉にあたしはピクリと反応する



「え…クラスの皆が…あたしの事を…?」



途切れ途切れに聞いた