「…じゃあオレ帰るよ」
カイは荷物をまとめて立った
「…うん…」
あたしはというと、ベッドに入ったまま頷いている
「何?淋しいの?」
カイがニヤリと笑って顎を触った
「ぜっ、全然っ!!」
あたしは首を思いっきり横に振った
「まあまあ、照れるなよ♪」
「照れてないー!てか、早く帰ってよー!!(泣)」
「…んー…しょうがないなあ…じゃー、キスだけね♪」
ギシッとベッドを軋ませて、カイがあたしの布団に潜り込んでくる
「ん〜…あったけぇ〜…」
「ばっ…か!」
「はいはい、早くキスしてほしいんでしょ?」
カイはあたしの顔をクイッと上げて、目を閉じる
うっ、うぁ〜!!
チュッ
軽く触れてすぐ離す…かと思ったら、またすぐ、唇を重ねて今度は、深いキスをする
「…う…ふぅ…っ…」
何度もしてるのに、まだ頭がクラクラする感覚に襲われる
チュッ
再び軽い音をたてて唇を離す
「英子…ずっ…」
カイが何かを言い掛けた瞬間―
ガチャッ
「ごめんねぇ〜!買い物たくさんしちゃって〜!」
ノックもせずに母登場
「え……キャーー!!」
あたしとカイの体制を見て絶叫するお母さん
「「あ…」」
カイと重なる声
あたしとカイのラブモードは、お母さんによって呆気なく壊された
