ジリリリリリッ♪

けたたましい音が部屋中に鳴り響く


「…ん……」


目覚まし時計を止めようと手を伸ばすと―



ズキン


「―痛ッ…」

頭の奥がズキンズキンと痛む



「英子ー!朝よー!」


お母さんの大声も、頭に響く


「…ッちょっと…待っ…て…」


あたしの声の異変に気付いたのか、トントンとお母さんが階段を上ってくる足音が聞こえた



「あんた、熱でもあるんじゃないの?」


そう言うと、あたしの頭に手の平を乗せた


「……熱いわね…念のため熱測っときなさい」


いつの間に持って来たのか、お母さんの手には体温計が握られていた



ピピピピッピピピピッ♪



脇の下で鳴り響く体温計を取り出して、液晶画面を見てみると…



「…38.7℃…」

「あらまあっ!大変!あんた今日は休みなさいっ!」

「えぇー…」

最近ようやく学校にも慣れてきて、友達も2、3人は出来たのに…


「つべこべ言わないっ!悪化させたいの!?」

「…分かりましたよぅ…」

「じゃあ、お母さんはお粥作って来るから、あんたはちゃんと寝てなさい」

「…はぁーい…」


お母さんは、バタバタと走りながら階段を下りて行った