「起立!」

学級委員のこの一声から朝は始まる

ガタガタと椅子から立ち上がり、

「おはようございまーす…」

と力ない挨拶をする



「なんだぁ〜?皆元気がないぞぉ〜?」


担任の先生が幼稚園の先生に見えるのは私だけだろうか…


(あんたが張り切り過ぎなだけだよ、ハゲ先…)



そして朝の読書時間へとなった



この時間になると、先生がいなくなるからか、大半の生徒は勝手にしゃべりまくる



「ねえ、志音さん!志音さんはどんな人がタイプなの?」



来た!このテの質問、あたし苦手なんだよね〜…



「ええっと、あたしは…」



あたしのタイプの人…?



………カイ?



いや、違う!

アイツは別だ!!



あたしが戸惑っていると、一人の女の子が言った



「一条先輩なんか、素敵だよね!超憧れる〜!」



ドキリ



あたしの胸が鳴った


「あ、あはは、だよね〜」

不自然な応答を返す



「でも、一条先輩って彼女いるんでしょ〜?」



ズキン


え?

嘘…

カイって彼女いるの?

だったらなんであたしにあんな事…



遊び?

惚れさせてやるって言ったのも全部遊び?



あたしは女の子達の話をちゃんと聞かずに一人考え込んでいた