「…宿題しよ…」

あたしは立ち上がって机に向かった


ガサゴソとカバンの中をあさぐって地理の教科書とノートを出す

そしてペンケースからシャーペンを出して、ノートに問題を書き始める





その時だった







コンコン





窓の方から小さな音がした



「…?…何だろ…?」



あたしは閉めてあったカーテンを開けた



「………ッ!?」



言葉が出なかった



窓の所にある、小さな踊り場にその人は立っていた



黒髪を靡かせ、無邪気に笑う修人がいた



「…何で!?どうやってここに来たの!?」


あたしはせきを切ったように話し始めた


「俺ン家、すぐ隣だろ?壁づたいで来た」

「そっそんな事したら危ないよ!!」

「だーいじょぶだって それより英子に無視されたらどうしようって事の方が心配だった」

「え?」

修人の真剣な表情に、あたしは少し驚いた