あたしはカイに手を引かれ、屋上へと連れて行かれた
「…何?」
あたしが不機嫌そうに呟くと、
「英ちゃんてさぁ、好きな男いるの?」
チクン…
「知らない…」
「ふーん…いるんだ」
いるなんて言ってないのに勝手に決め付けて勝手に納得してるカイ
「じゃあさ…」
グイッ
あたしはカイに引っ張られ、壁に押し付けられた
「…てやるよ」
「へ?今なんて?」
カイの声があまりにも小さくて、聞き返したけど、あたしの唇はとっくに塞がれてて、言葉は届かなかった
「…ん…」
前みたいな激しいキスじゃなくて、優しい、甘いキス
「…ふぁ…」
初めてのその感覚に、あたしの意識は吹っ飛びそうになる
甘くて甘くて、とろけるような心地よいキス
唇を離したと思ったら、また求めてくる
やっと唇を離したカイが言った
「オレに惚れさせてやるよ お前を」
