「……でねっ!?」



太陽はほぼ沈み、冷たい風が頬を撫でる時間帯―



英子が卒業までの思い出を語り始めて早2時間―



「…あのさぁ」



オレは意を決して口を開いた



「…何?どうかした?」



小首を傾げてニコニコ笑う英子に少し罪悪感を感じた



「…ずいぶん呑気だよな、英子」

「……は?」



訳が分からないと言う顔をして、眉を八の字に曲げる英子



「…今日、帰すつもりないんだけど」



英子の澄んだ瞳を真っ直ぐに見つめ、オレは少しわざとらしく言ってみた



「……………?」



頭にハテナを浮かべて更に眉を曲げて悩む英子に声をかけようとした時―