放送部からお伝えします

「二人で大丈夫か?」


かなめが少し心配そうに振り向く。

空はもう真っ黒で、白い星たちでいっぱいだった。


「大丈夫。そっちも気をつけてね!」


竜也が二人に親指を立ててみせる。


「あぁ。ホントごめん」


草太がそう一言伝えると、二人は競争するかのように走って行った。



「僕達も早く帰ろう。――痛くない?」


竜也はあたしの足を見て、心配そうに聞く。



ヒ〜ゲ〜ネ♪
ヒィ〜ゲ〜ネ♪



あたしのケータイから音楽が鳴った。


「あ、ママだ!」


「どこの着うただよ……」


ケータイに耳を澄ませると、聞き慣れたママの声が流れてきた。


「――うん。ごめんなさい! 大丈夫、もう出たから。うん、竜也も一緒だよ。わかった、すぐ帰る!」


ケータイを切って、竜也のほうを向く。



「怒られちゃった……?」


あたしより先に言われてしまった。

あたしは黙って頷く。


「家まで送ってくよ。もう暗いし、――その足だしね」


竜也はまたあたしの足を見てニヤッと笑った。


転んだことなのか、あたしの足が遅いと言いたいのか。


それから竜也は、優しそうに微笑んで、あたしの手をもう一度握った。