放送部からお伝えします

プルルルル...プルルルル....




あたし達が歩き始めると、かなめのケータイが鳴った。

かなめは驚きながらも急いでケータイのボタンを押す。


「はい。あっおかん! え? 今ちょっと――そ、草太? 居るけど、俺も? お、おいっ」


ブチッ


勢いよく切れた音がした。


「――俺がどうかした?」


草太が不思議そうに、かなめに尋ねる。


「なんか急いで帰って来いって」


かなめはケータイをポケットにしまいながら答えた。


「そうだ! 今日父さんの誕生日だ」


草太は顔を青白くさせて言う。

草太ん家は、家族の誕生日にはどこかのレストランで食べる習慣がある。


「なんでかなめのケータイに?」


あたしはrlappから出た安心感のあと、やっと口を開いた。


「今日祖母ちゃん来るから早く帰って来いだって。草太にも伝言あるからって」


「あ、俺ついでなんだ」


「――え? じゃあ2人とも急いで帰らなきゃ!」


竜也は少し焦る。

かなめの家にお祖母さんが来るってことは、きっと共働きのかなめの両親も揃うと思うし。


竜也は、時間に遅れると容赦なく怒鳴られる草太と、滅多に会うことのないかなめの家族のことを思って、先に帰るように指示した。