だんだんブルーな気持ちになってくる。


「ねぇ竜也。この公園での約束、おぼえてる?」


あたしはニット帽を花壇のレンガの上にのせて、まだ仲が良かった頃を思い出した。





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まだ中学に入学して間もない頃だった。


あの日、たぶん7時くらいかな?

近くの商店街に飾られていた大きなこいのぼり。

もう時期が終わって外されてた。


それをあたしと竜也が盗って、草太とかなめが銭湯のノレンとすり替えたんだ。



「ヤバイよ! ついにやっちゃった!!」


まだ興奮がおさまらないあたし。


「こんな事やったの初めてだよな!」


つま先でピョンピョン跳ねる草太。


「明日どーなるんだろーな」


星空を見上げて笑うかなめ。


「きっと銭湯のオジイサン、怒るよぉ」


ギュッと目をつむって足踏みしている竜也。



あたし達はもう一度、今日やった行為を思い返して、顔を青くさせた。