「梨衣子、大丈夫?」


「ふぇ?」


沢子の声がして、あたしは我に返った。


「最近変だよ? 何かあった?」


沢子が心配してあたしの顔を覗き込む。


「大丈夫だよ! それにこんなにも取っちゃったし♪」


あたしは両腕にある、クレーンゲームで取った賞品が入っている袋を見せた。


「悩み事あったら言ってよ? ……相談にのるから」


「……うん」



沢子は……鋭い。

あたしのちょっとした変化にもすぐ気がつく。

なんでも相談できる、大切な親友。



――だけど、言えない。


言えないよ……。




犯人を知ってるなんて――。