本当は、信じてたんだ。



あの日アイツらが言った



「竜也はまだ生きてる」

って言葉。



信じてたんだ。


信じたかったんだ。



少しでも、希望とか望みが欲しかったから。



だけど


竜也の家から出て来た竜也のパパは

ハンカチで目を押さえて、声を押し殺して泣いていた。




そのとき思ったんだ。



ダメだったんだって。


噂は本当だったんだって。



竜也はもう2度と帰って来ないんだって。





――死んじゃったんだって。