「わかった! 夏休みの課題、免除にするから!!!」


手を合わせ、必死にお願いしてくるヤマ。


……おもしれぇ〜〜。


「それならいーぜ♪」


俺は満足げな笑顔で返事をする。


……でも疑問がひとつ。


「下っぱのヤマがそんな事できんのかよ?」


「バカ! 俺が全部やるんだよっ! 石田の代わりにっ」


みるみる大きくなるヤマは、ゲッソリしている。

そこまでしてくれるなんて、驚きだ。


「そか! じゃ、また今度なぁ〜♪」


俺は隠し持っていた棒キャンディーをなめながら、勢いよく廊下を走った。


そういや本持ったままじゃん。


……ま、いっか♪


上きげんな俺は、感想文くらい書いてやるかと意外にかなりやる気になっていた。





……あれを見る瞬間までは。