「梨衣子にシュミ合わせた?」


「!!」


案の定、ヤマはかなり驚いた顔をする。


……図星、か。

さては、この前の梨衣子達のクラスの授業で惚れたな。




「もしかして、ワックス付けはじめたのも?」


「!!」


さっきよりも目を大きく見開くヤマ。

わかりやすだろ。


「……梨衣子の好きそうな匂いの香水付けたのも?」


「!!!」


「ジャージ、高校のじゃなくてナイキとかにしたのも?」


「!!!!」


どんどんヤマに近づく俺。

どんどん俺から離れるヤマ。



「好きなんだろ?」



「……そうです」


少し小さくなった担任のヤマ。

教卓にもたれかかる生徒の俺。


ニヤニヤが止まらない♪



「いいのかなぁ……。教師が生徒に恋をするのは……」


机に乗り出して、素直に白状したヤマを上から見下ろす。


「いやっ、ちょっ」


「付き合ってなくても、生徒をそーゆー風に見てるってなると……」


俺はどんどん小さくなるヤマを見下げて言う。

目を見て放送部の俺が何をしでかそうとしてるか、わかったみたい。