血まみれ


倒れた恋人


騒ぐだけの人達



あのときの記憶が一気に蘇る。



窓につく手が不自然に震える。


「事件の数日前、不良グループと竜也くんが「いい加減にして!!!」



気がつくと、あたしは怒鳴っていた。

窓に映っている草太が、あたしの後ろ姿を少し見て言う。




「……帰って下さい」


「でもっ」


「帰れ!!!」


かなめが今まで聞いた事もない大きな声で叫んだ。

だけど、少しかすれていた。