「来ぅるぅなぁ〜」


俺だけでも止めようと梨衣子は窓を閉めようとするけど、俺だってもう中3。

女子の力に負けるか。


「よっと」


よっしゃ、侵入成功。


「って、うぉっ」


上手くいったと思ったら……。


まんまと下にあったベットに躓いた。

なんで窓の下にベットがあるんだよっ!


……まぁ、俺もだけど。


「ダサッ」


草太は予想もしなかったような顔する。


「お前ら落ちたらどーすんだよ!?」


2階から勝手に入ってきた俺と草太を、梨衣子が珍しく心配している。

巻き込まれるのがヤなだけだと思うけど。



それに、


「「この距離から落ちるわけないし」」


俺の声と草太の声が綺麗に重なる。


うわ、ハモった〜。


まぁそれは置いといて……。


この距離から落ちるわけない。

まずありえない。


俺らは家を正面に見て、梨衣子ん家を真ん中に、左に俺、右に草太の隣同士。


部屋も隣で、繋がってるようなもの。


頑張らなくても人間ハシゴができる。