辺りを見回すと、おとなしく警察に連れて行かれてる男達。

そして、それぞれの両親が来ていた。


草太は頭を深々と下げている。

草太のパパとママはすごく心配そうだ。


かなめは男達の仲間と間違われて事情聴取されていた。

それを見たかなめのパパはかなめをかばって、ママはツボみたいで大笑い。



そして……



「梨衣子ー!!!」


ママが泣きながらあたしに抱き着いてきた。

久しぶりに見た家族の顔。

涙が溢れてくる。


「ママー！ パパー！ じゅ……順がいなーい！」


「留守番してるよ」


「怖がったよー！ 泣きだがったよー！ 泣いたげどー！」


あたしはわんわん泣いて、ママに抱き着いた。


隙間から、うっすら見えた川岸さんの顔。

すっごく懐かしんでた。



その横から、竜也のパパが来た。

いつも以上に真剣な顔をして、あたし達に言った。



「……急で悪いんだが、明日病院に来てくれないかな？ 大事な話があるんだ」