「あぁ!? お前ﾀｹﾙさんになんてこと言ってんだよ!?」


坊主頭の奴が、ﾀｹﾙの後ろから言ってくる。

でもちっとも怖くなかった。


「梨衣子ちゃんさぁ自分の状況分かってる？ ヤバイんだよ。これ以上怒らせない方がいいんじゃないの」


ﾀｹﾙは坊主頭を止めると、あたしに言ってきた。

自分の状況くらい、自分がよく分かってる。



「そうだね、怒らせない方がいいかもね。中学生に怪我させられたくらいで殺しちゃう奴らだもんね」


嫌味たっぷりで言ってやる。

ﾀｹﾙは渋い顔をして言い返してきた。


「あぁそうだよ。つかみ掛かったくらいなら許すよ？ でもあいつ梨衣子ちゃんに非通知送ったくらいで俺らに謝れとか何だか言ってきてさ、マジありえなくねぇ？」


ﾀｹﾙは思いきり開き直っている。

その態度に、なんでか瞳が潤みだす。



……知らなかった、竜也がそんなことしてたなんて。




こいつらがこんなにも無神経だなんて。