「そりゃ、4人共もらったし……」


「そうじゃなくて……。持ってたんだよカバンに。本に挟んでたの見た……」



草太が少し、悲しそうな顔をした。


「そっか……」


かなめも梨衣子の名前を聞いて、うなだれた。

何も出来ないふがいなさからだろう。



「でっでも持ってんだよな! いいことじゃん!」


かなめが自分でも意味分からなそうに言った。

草太のしおりを取って、自分のしおりと重ねて手でクルクルしている。


「そんな風に扱うなよ……」

「ちょっと待って!!」


草太がしおりを取り上げようとしたとき、川岸が叫んだ。