私立蘭生学院。

地元で唯一の私立で、中高一貫。


正直進学には特に興味ない。

そんなあたしが行くの決めた理由は――


名前がカッコイイ。

それだけ。


制服は案外普通のセーラー服と学ランだし。

高等部に比べて校舎が綺麗なわけでもない。


学力も中の上。


そんな平凡な学校の教室には、朝というのに沢山の生徒が、教卓の上のスピーカーに耳を傾けている。

周りは静寂。

聞こえてくるのは、ソロソロと登校してくる生徒の話し声と、針が進む男だけ。



―チッチッチッ―