カンカンカン...



鳴り響く、階段の音が。



梨衣子が家を出て、3日経つ。

水とご飯を与えてもらってるが、大食いの梨衣子には足らない。

トイレに連れてってもらえるが、お風呂には当然入れない。



年頃の女子中学生にはキツイだろう。


梨衣子の腕には少しの傷がついていた。

逃げようとしたとき、つけられたのだ。


座り疲れて足はしびれてしまった。


恋人を殺した男に、どこなのか分からない暗い地下に閉じ込められている。


男達の顔を見るたび、怯える。

まだ傷をつけられた程度で済んでいるのが、不幸中の幸いだ。



だけどまだ、梨衣子の心に光は残っていた。





……絶対、助けが来るんだから。