靴を履きかえて外に出ると、肩を叩かれた。



「どうした、カバン持って。早退か?」


いきなり現れた、グラウンドで遊んでいたらしい先輩は、足を止めた俺に駆け寄ってくる。


先輩は俺を一度見回してから、尋ねてきた。



「ちょっと具合悪くて……」


面倒くさいから少し適当に返す。


「んなヒョロッこい体してるからだぞ」


もっと鍛えろ、と体を突いてきた。


「いつも筋トレサボってる人に言われたくないです」


紀之みたいに嫌味を吐くと、可愛くないなと言いながら、頭を撫でられた。

同じくらいの身長なのに子供扱いされてるのが嫌で、俺は少し先輩を睨む。

すると、先輩は困ったように笑いながら手を振って見送ってくれた。