「実久さんのいけめん奮闘記」






「 いっかいだけでいいの~っ 」




うひゃあ、
めちゃくちゃ近いいい…



先輩の隣にいるのに
余計に近くなっちゃいました 。




んで、顔キレイ…


無意識のうちに数秒見つめちゃった 。
ごめんなさいっ 。



肌キレイだし、目おっきいし、
まつ毛長いし、…って見すぎ?




ええい!
両手でねだる先輩にあたしは敗北です 。





「 …あ、飛鳥 」




「 え?な~に~? 」



「 もう言わないですっ! 」








ふわふわした口調で先輩が
あたしをいじめる 。



実際のところ、
先輩のほうがかわいいんだけどな 。



言えるわけないけどねっ 。





授業のチャイムが鳴った 。



あぁそうだった!
この空のしたでみんなは授業中 。



大迫くんとかチクってませんように…




「 かわいいーっ 。
俺も土屋ちゃんの名前知りたいなっ 。
この呼び方やだもん 」



「 土屋実久っていいます!
土屋ちゃんでもいいですよ? 」





「 じゃあ、みいちゃんねっ!

だって苗字だと他人みたいだし、
呼び捨てはみんなにされてるでしょ?

俺だけがいいじゃんっ 」







みいちゃんですか?!