「実久さんのいけめん奮闘記」






土屋ちゃん、と急に呼んでくれた先輩は
再びあたしの手を握った 。




さっきよりも熱をもっている気がする
先輩の大きな手 。





先輩はふわふわしてます 。
何がってオーラとか言葉とか… 。





次はあたしが先輩…?と呼び返すと
また何も言わず 校内を今度は駆けた 。





着いたのは4階、の扉の前 。



ここに何あるんだっけ……



先輩はズボンのポケットから
鍵らしきものを取り出してそこに差した 。








屋上 。







うわぁ…
空、すっごいキレイ…






ありきたりな場所だけど、
ここに入れるとは思わなくて 。




鍵があるってことは、
普段は入れないってことだよね ?



なのに花が植えてあって不思議な感じ 。



そして どうして先輩は
鍵がズボンに入っていたんですか…





というのはあとで聞くことにして、
とりあえず、地面に腰をおろした 。