バイトが終わり鈴村は自室のベッドで横になっていた。


…ったく…どうせうちの会社の女性社員なんかあてにしてないっつーの。

しかし、暇だ。彼女とやらがいればこんな時にメールや電話をしていたと言うのに…

そんなことを考えながら鈴村は深い眠りに落ちた。


朝の七時。

鈴村はすでに起きていた。


「今日もバイトか…かったるい。」

その日の一言目はそんな言葉だった。

彼は大学生だが、春休み期間のため、毎日の様にバイトのシフトに組み込まれていた。

「そういや、今日から新しい社員か…とんでもない顔の人だったらどうしよう…頑張って笑わない様にしよう…」

そう良いながら家をあとにした。


春の陽気のせいなのか…はたまた鈴村の運が悪いのか…電車の中は非常に混んでいた。

バイト先の最寄駅の喫煙所で、朝のストレスを吹き飛ばしてから仕事へと向かった。