プルルルル…


あ、携帯なってる。
あたしのじゃん。
うるさいなぁ。

「……もしもし」


眠いなか、あたしは仕方なく電話に出た。


「なんや、まだ寝とったんか。
今、雅紀がむかえにいってんで~」


「はやいよ~。
まぁいいや、準備するからまたね」


そういって、電話を切った。


雅紀っていうのはね、
実谷雅紀〈ミタニ マサキ〉
紅蓮の幹部、一番しっかりしている。


プルルルル…

「もしもし…」

「もしもし、桃華?
もう、マンションのしたにいるよ」

「今、いく」

といって電話を切った。
あたしは、急がないでしたにむかった。

したにつくと、マンションの壁にもたれ掛かっている雅紀をみつけた。

「雅紀ぃ~
待たせてごめんね?」

「大丈夫、大丈夫。
じゃいこうか、ちゃんと捕まってね」

あたしは、雅紀のバイクに乗っていった。
紅蓮の倉庫に。