夢でも幻でもない真人の姿を見ることになるなんて思っていなかった。


あたしは真人の隣に腰を下ろして、小さな声で

「ひさしぶり」

と言った。


今までで言いたいことはたくさん考えていたのに、今は真人が目の前にいることだけで頭がパンクしそうだった。


「陽菜、変わったな。」

真人がそういったとき、あたしたちの間を風が駆け抜けた。


秋風は少し冷たくて、肌に染み込んでいく気がする。