<それから>


あたしは今、夕日の道を一人で歩いている。

多分、あの人――――真人の記憶にはあたしは残っていないんだろう。


過去に付き合った女の子の一人として、頭の片隅で埋もれているのだろう。



でも、あたしにとっては大切な初恋だった。

初めて付き合って、手を繋いで、『恋』の意味が分かった気がした。