「うっせーな。しつけーんだよ!」
「そう言わずに。望月くんが出てくれれば、クラスの優勝間違いなしだよー。」
「そーいうの興味ねえから。それに、俺は幸と一緒にいてえから。」
聖夜と…誰だろ?
「あの子だよ。」
わっ!
急に猇くんが隣にいるから、
びっくりしちゃったよー。
「あの子って?」
「うちのクラス委員長。あいつが神田。」
え?あの子が?
だって、クラス委員長ってもっと
真面目な人かと思っていたけど、
あの人、どちらかというとチャラい方だ。
「じゃあその大事な幸ちゃん、痛い目見ても知らないわよ。」
「は?」
え?あたしのこと……?
「何言ってんだよ。幸は関係ねえだろ!」
「じゃあ出てくれる?それがあたしからの条件よ。」
「……っ。」
断ってくれるよね?聖夜。
あたしのことはいいから、お願い断って。
「………わかった。」
聖夜?
「じゃあ出てくれるのね?」
「ああ。」
そんな…なんで?
一緒に回ろうって言ったのに。
そんな寂しい気持ちが
あたしの心を覆っていく。
気づけば目から涙が流れていた。
「幸ちゃん?」
「……………。」
何も答えられず、あたしは
その場から走り去った。
「幸ちゃん!!」

