だが、逃げよううとした俺の
足は女の声によってピタリ
と止まった。

「…あのっ!よかったら
名前だけども教えてもらえま
せんか…?」

「俺は高神柊。お前は?」

なぜ名前をたずねたのか。
なぜこうもこいつに興味があるのか。
俺は数秒後にしることになる。

「私は…ひ、平野波乃です!
あのっ、柊くん、ありがとう
ございますっ…!」

そういって俺に微笑んだ
こいつを見た瞬間、俺は
わかってしまった。

…これが恋だと。