「あの、柊君!あたしのこと覚えてますか?」 そう聞いた瞬間、自分で思ってしまった。 もしかしたら、柊君があのときのことを 覚えてないんじゃないかな、って。 でもそんな不安はすぐ消えた。 「当たり前じゃん。忘れるわけねぇよ?」 その一言を聞いただけですごく嬉しくなった。 「てか、帰らなくていいの?」 「あっ、えーっと…。」 口ごもってしまうあたし。傘のこと言わないとっ! と思っていたらあたしが言う前に。 「一緒に帰る?」 そんな嬉しい言葉が聞こえてきました。