～拓磨side～

「…く……ま？…く…ま、拓磨？聞いてる？」



え？歌穂が俺の顔をのぞきこむ。

「ボーっとしてるけど」



「ああ、何でもねーよ。」


七奈美のことを考えてて、歌穂の話を聞いてなかった。




「七奈美のこと？」

「あ？」





な、鋭いな。

「なんで七奈美のこと知ってたの？」

う…。





「まあ…色々と？」

色々だもんな…うん。





「秘密はやめて！あたしたちのなかでしょ？」


「んな、やましいことなんかねーし？」


「ふぅん…？」


歌穂がなにかを考えているようだったが、俺は気づいてなかった。






もし、気づいていたら…

もし、俺の気持ちにも気がついていたら…







七奈美をもっと早く守れたのに…