それからはというと、 和希先輩のことで頭がいっぱい。 授業中もぽーっとしすぎて何回もあてられた。 「お前、なんか変だぞ」 「へぇっ?」 隣の席の林翔太が言う。 翔太とは割と仲がいい。 何でも話せて、居心地もいい。 「うん…まぁね…」 今の私はこうしか言えない。 「なんだ~?稚奈のくせになんか悩んでるなぁ~。お前、悩みなさそーなのになっ」 笑いながらからかう。 そんな翔太も友人として好きだ。 「あのね…翔太」 ――――――――。 「いや、なんでもないっ」 やっぱ言えないわ。