怖かった。

もちろん[母が]ではない。



病気はこれほど人を変えてしまうのかと、
実際目の当たりにして、[癌]の恐怖を初めて実感した。



『・・・?どうしたの?』
「ッ・・・なんでもない!」


咄嗟に嘘をついた。

嘘というより他に言葉が出なかっただけなのかもしれない。