元帥様のどうでもいい話を遮るように、私は言葉をかぶせた。


「はい、なんでしょう。お嬢様」


外見的にいかめしい元帥様が、顔に無理矢理、笑顔を貼りつけて私に聞き返す。


「私、嫌よ?この中から将来の旦那を選ぶなんて」


元帥様の貼りついた笑顔の眉だけが、ぴくりと動いた。


「アンジェリカ。この方たちは大将なんていう素晴らしい階級にのぼりつめた実力者だよ?

功績を残し組織に貢献する者は、きっと家族おもいの良い人だ」


私の後ろに立っているお父様が私の肩に手を乗せる。


「お父様?私、階級とか功績とか興味無いの」


素敵な婚約者が見つかるって言うから、楽しみにしてたのに。