「え…?」 何がやっぱり…? 「誰に叩かれたんだ?」 ハッと左頬を押さえる。 まさか、傷が残ってた…!? 「…別に」 叩かれてない、と言おうとすると、 「言え」 問答無用で黙らされた。 無口なくせにこういうのは気にする。 いつも、小さな異変に気づいてくれる。 あたしは、顔ではなく雅人のそんな優しいところを好きになった。