「この先に、お前以外に愛する女なんか絶対にできない。無理なんだ。お前じゃないと、もうなんの意味もないんだ」


突然の死が待っているとも知らずに書き記された、最後の手紙。


だからこそ想いが溢れるその手紙を、舞のように強く優しく抱き締める。


「お前はなんの取り柄もない俺の、一番の自慢だったんだ。お前の笑顔と思い出を、力に変えて生きていくよ。俺も愛してる。永遠に」


息子達の呼ぶ声が聞こえた。


「お父さーん、お腹空いたよー」


封筒にしまった手紙をそっと手で撫でる。