そうしてカフェや公園を
ぶらついてすでに午後10時半。


もう、こんな時間か。
そろそろ帰っても大丈夫かな?

あたしは家へと足を進めた。

あたしの家は
少し古めのマンションの5階。

エレベーターに乗り、
部屋の前で止まる。

今日は大丈夫かな。
一度深呼吸してドアを開ける。

「ただいま。」
小さい声でそう呟く。

「おかえり。」
なんて言葉、あたしになんて
返ってくるわけない。

するとお風呂場から出てきた
母親と目があった。

でも、母親は
あたしなんて視界に入って
いないかのように無視をして
リビングへと戻って行った。


ほら、やっぱりね。
あたしなんていらない子
だから帰って来ないほうが
あの人にとっては都合が
いいんだよ。


そのままあたしは
リビングへ行かず、
自分の部屋へと行った。