愛華のその言葉にあたしは
何も言えずに俯いていた。


「あ、すいません。急にこんな話
しちゃって‥。」

と愛華は申し訳なさそうに
笑った。

「そんなことない。
今日会ったばっかのあたしが
言うのもなんだけど愛華は悪く
ないじゃんか!誰が悪いわけでも
ないじゃんか‥。」

そう言ってる最中にも
涙は流れ落ちてくる。

「あたしさ、こんな世の中大嫌い
だったの。母親は男にだらしないし
あたしはいつも邪魔だって言われて
育ってきたの。そのせいかさ、
きっとみんなそんなもんなんだって
信じたって裏切られるだけなんだ。
って誰にも心を開かずに生活してたの。
でもね、こんなあたしにもちゃんと
真正面から向き合ってくれる人がいた。」


今日会ったばっかのあたしの
話をこんなにも真剣に聞いて
うなづいてくれる愛華はきっと
とてもいい子なんだとおもう。

「その人のお陰で今のあたしが
あるのにあたしが弱いせいで
きっと傷つけた。」