「その制服、名桜高校ですよね?」

愛華があたしの制服を
見ながら首をかしげる。

「あ、うん。」

「あたしも名桜高校なんですよ。
最近行ってないんですけどね。」

ははっと笑ってそう呟く。

その笑顔はどこか
辛そうな、寂しそうな笑顔に見えた。

「何かあったの?」

今、会ったばっかりで
あたしになんてあいかちゃんは
話すわけないのに。

何故か愛華ちゃんの顔を
見ていたら、聞かなくては
いけない気がした。

この可愛い笑顔の下に
とてつもなく大きな闇を
抱えている気がしたから。

愛華ちゃんは少し
黙っていた後、口を開いた。

「あたし…」