その影はあたしを
見るとぺこっと会釈をした。

あたしも一応返しておくと
彼女はにこっと笑った。

あぁ。この子きっと
モテるんだろうなー。

なんて考えるほど
可愛い笑顔だった。

あたしがその子のもとへ
近づくと

「あ、ここ座ります?」

その子は自分の座っている
横のブランコを指さしながら
首をかしげる。

「あ、うん。」

そう言ってあたしは
ブランコへ腰掛けた。

「あの、」

しばらくの沈黙の中
先に口を開いたのは
あたしの隣に座る
女の子だった。

「ん?」

「名前聞いてもいいですか?」

その子は遠慮がちに
質問をしてくる。

「あ、高橋美結。みゆで
いいよ。」

「あたしは矢川愛華。
あいかって呼んで!」

とニコッと笑った。