あたしが大人しくついて行くと
3人は使われていない教室へ
入ってあたしの方へと
体を向きなおした。
「あのさー、あんた最近調子に
のってない?」
3人の中の一人が
口を開く。
「は?なにが?」
「とぼけてんじゃねえよ!」
もう一人の女が
声をあらげる。
「あんた、顔がちょっといいからって
優翔と直哉取ってんじゃねえよ!」
「別に取った覚えなんてないけど?」
だいたい、顔だって
そこまでよくないし。
「知ってんのよ!あんたが
母親に愛されてないことなんて!
あんた、浮気相手との子ども
なんでしょ!優翔と直哉は
あんたに同情してるだけなんだから!」
同情…。
その言葉があたしは
一番嫌いだった。
同情だけはされたくない。
だから、友達も彼氏も作らないで
今までやってきたのに。
なんで、こんな奴らに
そんなこと言われなくちゃ
いけないのだろうか。

