もう、諦めるしか
ないみたいですね。
「ねぇ、どこ行くの?」
「んー?いろんなとこ。」
その言葉通り
あたしはゲーセンやら
デパートやらにひたすら
つれ回された。
まあ、それなりに
楽しかったんだけどね。
なんてことは絶対、優翔には
言わないけど。
もう、時間はすでに
午後の8時半。
「美結、時間大丈夫?
そろそろ帰るか。」
今日は帰ってくるなとは
言われてないけど
きっとあの人はまた
男の人を連れ込んでるんだろう。
はっきり言って、
帰りたくない。
あたしが下を向いていると
「じゃあ、腹へったし
なんか食べに行くか!」
そう言って、あたしの
手をひいた。

