あたしがしばらく
固まっていると
優翔があたしに気づいたらしく
「美結、おはよ!」
といつもの笑顔で
あたしに声をかけた。
優翔の周りのケバい女たちは
驚きを隠しきれない
といった表情をしている。
まあ、当たり前っちゃ
当たり前か。
このクラスであたしに
声をかける人なんて
いないからね。
あたしはそんな優翔の
言葉を無視して自分の席についた。
「おいー、無視かよ美結ー!」
そんなことを言いながら
ケバい女たちの中から抜けて
あたしに歩み寄ってくる優翔。
こいつは一週間も顔を
見せないで急になんなんだ。

