彼女はハラハラ時計

「ナンダヨソレ!オマエ馬鹿!」

「馬鹿ではない。我輩はキャリーボムボム。最近流行りのキャリーなんとかとはまったく無関係…」

「知ッテルヨ!聞キ飽キタヨ!見レバワカルヨ!ダイタイ、オマエナンデ薬品工場ニ爆弾シカケタアル!モット、コウ…石油コンビナートミタイナ」

「あの宇尾薬品工場は神経系用薬品をイケナイ薬に精製し、発展途上国に輸出していた。だから我輩が天誅を下してやったのさ。今回の事件で奴らの愚行も明るみに出るだろう。ブワッハハハハハ!」

「オマエ何様ノツモリアルカ!犯罪者ダロ!ヒーロー気分デ仕事シテモラッタラ困ルネ!アト、セッカク俺ガ用意シタ放射性廃棄物ヲナゼ使ワナカッタネ!アレ盗ムノドンダケ大変ダッタアルカ!」

「可愛い爆弾が『汚い爆弾』と呼ばれるのは耐え切れなかった…」

「オマエ駄目犯罪者ネ!失格ネ!引退スルガヨロシ!モウ二度ト仕事ヲ依頼シナイアル!バイナラアルネ!バイナラ〜!」

廃墟ホテルから足早に立ち去る我輩。残り時間はおそらく15秒程度だろう。我輩が仕掛けた爆弾で彼ともどもこの廃墟ホテルは跡形もなく爆発する。