彼女はハラハラ時計

「おそらく白のリード線は偽装。なら、この邪魔な白のリード線をすべて切断しよう」

「そんな裏付けもなく切断なんて出来ないよ!」

さっきの勢いはどこにいった!

「俺の勘と運を信じろ!」

「…わかった」

藍田は白のリード線を慎重にニッバーで切断し始めた。

『ブチッ!!ブチッ!ブチッ!』あの時は異音に聞こえたが、今はスキップみたいな軽快な音に聞こえる。

「白色のリード線、全切断完了!残りは赤と青だけに…あっ!」

藍田が白のリード線を切断し終わった直後、爆弾のタイマーが作動し始めた!残り時間は28秒!

「どうしよう!みよたん!」

「落ち着け藍ちゃん。そして好きな色を残せばいい」

「みよたんはどっち!」

「俺の勘と運を信じてくれた藍ちゃんの愛を信じたい。キャリーボムボムが言ってただろ、俺は恋愛テロリストだって。最後は愛ある藍ちゃんに決断を任せる!」

「そんな!」

「大丈夫だ。どんな結果になっても俺達はずっと一緒だから」

俺は藍田の手をギュッと握りしめる。残り時間は10秒を切った。