冷たい風が吹く11月半ばの深夜。
眠れなくて公園に出てきた俺に話かけてきたのは不良でもなく、ホームレスのおっさんでもなく、警察官でもない。

白いシャツを真っ赤に染めた青年か少年、はっきりとした年齢はわからなかったが俺と同じくらいに見えた。

「おにーさん。暇してんだったら相手してくんない」
街灯に照らされたソイツは実に楽しそうに俺に話しかけた。


「…俺?」
「アンタしかいないじゃん」
「そっか」

よっこいしょ、と俺の隣に座ると鉄臭い臭いがして思わず顔をしかめると、アイツはあはと笑った。


「おにーさん、もしかして血の匂いダメ?」